スノークラブの社会解析

マスマーケターが社会事象に対して大雑把に考えを書いていきます。

痴漢冤罪保険と電車での経験とトラブル内外

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【痴漢冤罪保険】

先日いろんな保険の中で見つけ、最近登録者数が増えている「男を守る弁護士保険、女を守る弁護士保険(痴漢冤罪ヘルプコール付き弁護士費用保険賠償保険セット)」に関連して。

男を守る弁護士保険・女を守る弁護士保険

 

最初にこれを聞いた時には、痴漢冤罪や痴漢被害そのものに対する、金銭的な補償かなと思っていたのですが、よく内容を見てみると痴漢が起きた時に弁護士に対する相談電話や冤罪の際の弁護士費用の補償が付いている保険ということです。損害賠償としては日常生活での交通事故や、水漏れ、物損事故なんかが補償される模様。

月々590円なのですが、加入者も急増しているとのこと。

biz-journal.jp

 

痴漢冤罪は昨今、線路に逃げ出したり冤罪があったり、それをテーマにした作品も世に出回っておりまさに社会問題化の様相を呈しています。

男性の筆者としては、自分に何かあった時にすぐに弁護士に相談できるのは、気持ちを落ち着かせる意味でもありがたく、すぐに第三者に入ってもらうことで冤罪になりそうな場合は客観的な目線をいれてくれるのは良いところだなと思いましたが、具体的にどんなアドバイスがあるのかは気になるところ。。

 

【電車での経験とトラブルの内と外】

痴漢といえば思い出すのは、学生時代に乗っていた車両の離れたところで突然、「この人痴漢です」と女性から申し出がありました。よくみると痴漢をしたと思われる男性の手を握り上にあげているのですが、驚いたことに周りにいた大人たちは誰も何も反応しません。「誰か助けてください」と再度女性は声を出しますが、それでも誰も声をかける様子はありませんでした。ちょうど夕方の帰宅時間頃で仕事で疲れたサラリーマンが多かったこともあったのでしょうが、あまりにも反応しない車内に見かね、友人と一緒にいたので私達はその女性の場所まで移動して「大丈夫ですか?」と声をかけることに。

結果的に女性もその男性も含め一緒に次の駅で降り、目撃者として警察に同行することになったのですが、駅を降りてから警察署を出るまでに3時間くらいかかった記憶があります。

 

その時感じたのは、東京の冷たさといいますか、初めは人々の無関心さと面倒ごとには関わりたくないという態度に驚きを覚えたと同時に、終わってみると確かに時間がかかって大変でした。

当時は学生だったのでまだ時間的余裕があったのですが、社会人として忙しく働きながら目の前の関係ない他人にわざわざ接してトラブルに巻き込まれるのはゴメンだとする気持ちが今ではよく理解できます。

それでも、近くにいる人を助けたり何かしてあげたいという気持ちは、多少なりとも持っている人が多いはずなのでその気持ちを表現できたら良いのですが、現実はそうもうまくいかず。。誰かが何とかしてくれるだろうと。。

 

ある意味、今回のこの痴漢冤罪保険もそうしたトラブルに関わる人とその周囲の人の不安が形に現れたものとも理解できるのではと思いました。「誰か何とかしてくれるだろう」の、「誰か」の部分を商品にすることで、もちろん「トラブル内」にいる人にとっては安心だし、周りにいる「トラブル外」の人達にとっては関わらなくても「トラブル内」で解決してくれるので自分は気を遣う必要はなくなるからです。

 

 

ただ、そうは言っても「トラブル外」の人達が果たす役割も重要であり、特に初動のところで当事者だけで放っておくと被害や精神的側面でのダメージが広がっていってしまうリスクもあります。そんな時に最初だけでも勇気を出して声をかけたり、関わってみたりすることで、当事者にとって救われたりよくなったりするケースは沢山あるかと。(もちろん、関わったことで更に悪化したり自分も被害を受けたりする恐れもあるので、本当に勇気がいることです)

関わる事へのメリット??として、もちろん感謝されたり無事に解決して嬉しいというのもあるのですが、その出来事は後々自分にとって深く印象に残ります。少なくとも私にとっては、記憶の中で強い印象を持っていて、それだけ日常で体験しない特殊な行動だったのだろうなと。(大げさに言えば人を成長させる体験)

 

なので、余裕のある時はトラブルの外から少しだけ内に呼びかけてみるのも悪くないのでは。。